シワ

vol.10 肌も植物も湿度に振り回されない 十分な水分が美しさの鍵

こちらでは「植物美容道」の基礎知識、お手入れの基本をコラムでご紹介致します。今回のテーマは「肌と植物に不可欠な水について」です。

Contents

すぐに植物が枯れる

部屋の空間にぴったりの観葉植物を見つけて飾ってみたら、思いのほか枯れるのが早い。
夏なのに肌が乾燥する。
その原因、低湿度かもしれません。
植物には蒸散の働きがあり、湿度にとても敏感。
湿度にされやすいところは、お肌と似ています。
肌は常に湿度に振り回されていますから。
「植物美容道」が得意とする、植物と美容の双方で「湿度」の特徴を捉えやすく、理想の維持方法をお伝え致します。

観葉植物の理想の湿度とは?

観葉植物を枯らさないで!
お肌を枯らさないで!
水分不足が招く乾燥で枯れた葉、枯れた肌に。
不健康で見たの美しさも失います。
その原因は店員さんにアドバイスしてもらう空気の乾燥で、つまり「湿度」の低下によって起こります。
実は、観葉植物も肌も、健やかさを保つための理想的な湿度は、どちらも50~60%。
この数値、人によっては、じめじめして気になることも。
肌にすいぶんたっぷり、は理解出来ますが、観葉植物の全てが50~60%の湿度を必要なの?という疑問。
さっそく屋内植物専門家の谷奥先生に伺うと、
「観葉植物にも高湿度を好むものと苦手なもの、低湿度、つまり乾燥した環境を好むものとそうでないものがある」とのこと。
よく、熱帯や亜熱産で生育されているものは、高温多湿が適している、とは限らないそうです。
なぜなら屋内で楽しむ観葉植物は、温室の栽培農家で、屋内の環境に順応するように生育されています。しかも観葉植物は湿度だけでなく、光の強弱にも好みがあり、そのバランスも考えられています。

店員さんにアドバイスをもらう

京都にある観葉植物店のコトハでは、栽培農家で植物がどのように生育されたかを熟知し、植物1つ1つが店内で順応するように環境を整えて管理しています。ほしい観葉植物が決まったお客様には、部屋でどのように順応させたらよいのかアドバイスしているそうです。
それは購入したお店の環境と、置く場所を順応させること。
ぜひ店員さんとのコミュニケーションが大事です。

お店の環境を部屋に順応させるのが理想

お気に入りが見つかったら、次を参考にしてみましょう。

・購入したい観葉植物が決まったら、部屋のどこに置くかを決める。
・置きたい場所の、日当たりと風通しを確認。
・お店の人に、お気に入りの観葉植物が、高湿度かそれとも低湿度、どんな湿度
などの環境を好むのか聞く。
・購入後は置き場所を、観葉植物好む湿度に整える。
ではなぜ湿度調節が大事何か、次にご紹介します。

なぜ湿度が大事?

植物の多くは、植物の体は根、茎、葉の3つで成り立っており、細胞1つ1つは水で満たされています。なかでも葉は総重量の約80~90%を水で占めています。
この水が約10%失われただけでも、植物は枯れてしまうのです。
まず、湿度が低い環境は、空気中に含まれる水分量が少なくなっています。
すると観葉植物の水分は空気中に奪われて乾燥し、枯れてしまうのです。
また湿度が高い環境はカビが発生しやすく、それを餌にする害虫が寄生することがあります。
カビや害虫は葉の変色や葉の奇形、ひどくなると植物全体を枯らす原因になりますので、湿度の管理はくれぐれも注意が必要です。

湿度は気温だけを基準にしない

気温が高くても湿度が低い、気温が低くても湿度が高い日があります。
ちなみに植物が生命維持をするうえで大事な働きに「光合成・蒸散・呼吸」があります。
そのうち「蒸散」は、葉の主に裏に多くある気孔から水蒸気を出し、水分量と体温の調節をしています。
植物体内の水分量が多い時に蒸散します。
例えば葉の水分が充実し、葉の周りの外気の湿度が低ければ、葉から蒸散される水蒸気の量は多くなります。ちなみに温度の場合、高温は熱によって葉焼けを起こしたり、低温は代謝の速度低下などのダメージ要因に。

暑いか寒いか、温度は比較的感じやすいものですが、湿度に関しては植物体内と、外気の両方に関心を持つことが大事です。