こちらでは「植物美容道」の基礎知識、お手入れの基本をコラムでご紹介致します。今回のテーマは「植物の系統」です。
Contents
植物の調べ方のポイント
観葉植物の種類や特徴を調べるため、図鑑と専門の本、雑誌を数冊購入。
まず図鑑で調べたら、属、科……
「科」だけでいくつあるの?
たった1つの植物の名前を調べるのに、時間がかかってしまいました。
大事なことは、植物の分類法がわかると、植物の特色はもちろん、選ぶ時にとっても便利なことがわかりました。
その分類、ニュースで何度も耳にすることも。
それがコロナウィルスだったのです。
今回は、とても専門的な内容ですが、植物について調べる時、植物の歴史を調べる時に必要なことになります。
「植物美容道」では、植物を最近の情報だけでなく、長い地球の歴史の中で受け継がれている生命力や人への影響などにスポットを当てて、自然環境について取り上げていきます。
知れば知るほど地球の歴史をたどる感覚に
観葉植物のことを調べようと図鑑を開いたら、まずはやたら細かい文字に驚かされ、次は「科」とか「属」とかなじみがあるようでない用語…。
そこでインデックスで気になる植物の名前を探してみたものの、なかなか見つからない。
気を取り直して「本書について」、から目を通してみると…
植物名には学名があること。
さらに18世紀にスウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネは、植物を「界・門・網・目・科・属・種」に分類とある。
植物の分類について知ると、その植物がどんな特徴を持っているのか把握しやすくなることがわかりました。
そこで新型コロナウィルスについて、厚生労働省のホームページを見ると、次にように定義されていたので、一部掲載させて頂きます。
「コロナウイルス科ベータコロナウイルス属の新型コロナウイルス(ベータコロナウイルス属のコロナウイルス…」
とあります。
観葉植物の関心は、私たちの身体や生活を脅かすコロナにも向けられるとは。
何か考えさせられるものがあります。
植物の分類と時代の流れ
話は植物に戻します。
植物の分類を、詳しく、スタートから今日に至るまで辿ることにしました。
実は気になっている観葉植物の名前から種類、さらに系統を辿るうちに、それが「被子植物」だということがわかりました。
植物の分類の流れを簡単にご紹介します。
●1735年、博物学者のカール・フォン・リンネは、生物分類学において階級を「界、門、網、目、科、属、種」に分類。
これは植物の形態をもとにして分類しています。
そのあとアドフル・エングラーが提唱した「エングラー体系」、「ハンス・メルヒオール」と続き、「新エングラー体系」へ。
●1988年に「被子植物の分類」をアーサー・クロンキストが「クロンキスト体系」を提唱。
●1990年代以降はDNA解析による分子統計学が進み、植物の分類にも導入。
被子植物の分岐調査の研究の発展により、新しい知見はAGPに集約されています。
・歴史的体系 :クロンキスト体系
・学術先端分野:AGP
書籍、図鑑によっては
・被子植物 :クロンキスト体系
・裸子植物 :新エングラー体系
というように、採用の仕方に基準が設けられています。
次に「綱」「亜網」という言葉が出てきますが、2016年にこのような分離階級はなくなり、被子植物は64の「目」、159の「科」で分類されています。
観葉植物に歴史あり
ここで、今気になっている観葉植物の系統を辿ってみました。
<界>動物界と植物界がある。
<門>動物門と植物門(以下)がある。
植物には種子植物と種子を作らない植物がある。
灰色植物門/紅色植物門/緑色植物門/コケ植物門/シダ植物門/小葉植物門
有節植物門/ソテツ植物門/イチョウ門/球果植物門/裸子植物/被子植物門
<網>灰色藻網/イデユコゴメ網ほか/プラシノ藻網ほか/蘚類網ほか/ハナヤスリ網ほか
ヒゲノカズラ網/ソテツ網/イチョウ網/マツ網/双子葉植物網・単子葉植物網<目>パイナップル目、ヤシ目、サトイモ目
<科>サトイモ科
<属>サトイモ属・モンステラ属・フィロデンドロン属
<種>セローム
気になって調べた観葉植物は「セローム」でした。
好きな植物を部屋に置くことは、心の癒し効果があります。
その植物はどんな系統でどんな先祖なのか。
知ることで植物への想いがより強くなるかもしれません。
観葉植物を分類でチェック
ちなみ買った植物図鑑は、以下のように分類されていました。
- シダ植物
- 裸子植物
- 被子植物
- 単子葉類
しかもシダ植物だけで「科」は14種。裸子植物で「科」は4種。
他に109種の「科」がありました。
大切な観葉植物を観て楽しむことはもちろん、どんな分類に位置するのかがわかると奥深さを感じます。
気になる植物の系統を、ぜひチェックしてみて下さい。
知りたい言葉の意味を国語辞典で調べるように、植物のことを調べても見つからない。そんな時は植物の分類について知ると、インターネットや植物図鑑で調べる時、びっくりするほどわかりやすくなります。
系統を辿る楽しさ、ますます観葉植物に興味がわくでしょう。